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2023.10.24

高齢者の転倒は交通事故の4倍!

突然ですが、毎年10月10日は日本転倒予防学会が提唱する「転倒予防の日」です。

そう、10(テン)10(とう)予防の日です。

子供から大人まで、そして家庭から路上や職場など、さまざまな場面で起こる転倒ですが、特に注意が必要なのは65歳以上の高齢者による転倒です。高齢者にとって、転倒・転落は骨折や頭部外傷等の大けがにつながりやすく、それが原因で介護が必要な状態になることもあります。厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」によりますと、高齢者の介護が必要となった主な原因の中で「骨折・転倒」は上から4番目の多さです。また、同じく厚生労働省の「令和2年人口動態調査」によりますと、高齢者の転倒・転落・墜落による死亡者数は交通事故による死亡者数の約4倍とのことです。

このように社会課題の1つとも言える高齢者の転倒ですが、まず発生場所については、消費者庁によりますと、平成27年から令和3年までに協力した医療機関に報告された65歳以上の転倒事故の発生場所では、約半数が自宅であり、次いで、一般道路となっています。また、原因については一般的に、加齢や運動不足による身体機能の低下や、加齢による認知機能の低下、さらには病気や薬の影響があると考えられています。

そこで、このコラムをお読みの皆様ご自身の転倒リスクを簡単に測定できる方法をご案内します。転倒と密接な関係を持つ整形外科の症状に「運動器不安定症」というものがありますが、その診断基準にも採用されている以下の2つの体力測定です。ご自身の記録については、以下に記載の診断基準(秒数)を目安にしてご判断ください。

・開眼片脚立ちテスト(運動器不安定症の診断基準では15秒未満が該当 1)):立った状態で目を開けたまま、片方の足を軽く上げた状態を維持し、足が床や壁に触れるか、軸足がずれるまでの時間をを測ります。

・Time Up & Goテスト(TUGテスト)(同、診断基準は11秒以上が該当 1)):椅子に腰掛けた状態からスタートし、立ち上がった後に無理のない早さで3m先の目印まで歩き、そのまま折り返して元の椅子に座るまで歩いた上で、最後に椅子に着座するまでの時間を測ります(イラスト参照)。

神戸大学の認知症予防推進センターによる自宅でオンラインを使った認知症・フレイル・生活習慣病予防を目指す運動教室「eコグニケアpowered by Moff」の中では、ご自身のスマートフォンと専用のモーションセンサーを使って、手軽かつ正確に測定できる「デジタル体力測定」を定期的に実施しています。運動を継続されている多くの方で、測定結果の向上が見られています。自分の現状を知ることだけでなく、運動による効果を見える化することにも繋がります。

最後に、上記でご紹介した体力測定を実施される際には、周囲の環境や体調などに留意の上で実施ください。体力測定で転んで怪我をするなどといった本末「転倒」なことにならないよう、ご注意ください。

■デジタル体力測定

https://drive.google.com/file/d/1Y4s37Tlq2z5nVcFh-tTNx2k4x2ALmRBp/view?usp=sharing

出典:1) 日本整形外科学会「運動器不安定症の定義と診断基準」
記事提供:株式会社Moff